「ざわつく日本美術」@サントリー美術館
ずーっと行きたかった「あやしい絵展」がコロナのために私が行こうと思っていた日の直前に中止となり本当にがっかりしたので、こんなご時世ではありますが、どうしても観たくて行ってきました。
ざわつく日本美術@サントリー美術館でございます。
私、ここに来たの初めてだと思います。なんで今まで来なかったかな。
なんで観たいと思ったかというと、まずは展示会のタイトル!本をジャケ買いする私にはドンピシャでした。
だって、ワクワクするじゃないですか!
夏休みだし、子どもも楽しめる感じなのかなと思ってましたが…意外とそうではない。これは大人の方が楽しめます。
まずはメインイメージにもなっている、尾上菊五郎さんの絵。当日最新技術で、ザラザラした紙に写真を参考に絵を描いたとか。
どこから観ても、自分が見られてる気がするっていうアレ…モナリザみたいな感じです。
こんな展示もあったりして。私は面白いと思いましたが、当時の人たちにはリアルすぎるということでウケなかったそうです。
フワッとした日本画がお好みだったわけですね。
展示は、作られた時とカタチが変わってるものをまとめて展示したり、いつも一緒の蓋と入れ物を分けて展示したり、普段見られない作品の裏を見せたりと、かなり独創的。
視点が違うので、まさに展示会のテーマの「ざわつく」感じを十分楽しみました。
「ほー」「はー」と心の中でずーっと言ってましたよ。近づきすぎてガラスに額をぶつけたりしてね。
今まで気づいてませんでしたが、私は庶民や家族の生活が描かれた屏風絵が好きだということがわかりました。
詳細に人々の表情や当時の文化が描かれ、思わずタイムトリップしてしまいそう。
当時は暗闇や雨を直接描かず、人の表情や仕草で表現する技法が主流だったとか。
この屏風絵も、突然の雨に慌てる人たちが生き生きと描かれていて見入ってしまいました。
ここの展示は蓋と器を別々に展示してありました。
セットになってると気づかないんだけど、蓋と器のデザインが違うものもあるんですね。
これがセット?と驚くものもありました。が、この辺はもう必死に見ていたので写真が撮れてませんね…。
ここの展示は「はこはこする」ということで、普段倉庫にしまう時に使われる箱と、中に入っているものを、足元の線でつないでありました。
最初に箱を見て、この中身はどんなものだろう…と思いながら線をたどっていくと、中身が展示されている、といった展示方法でした。
北条政子が愛した小箱、なんてものもあり、昔から女性は細々したものが好きだったのね、なんて思いを馳せてました。
これは娘道成寺の安珍・清姫伝説の絵巻物。清姫が鐘に取り憑いて安珍が焼死した、という図なんですが…なんとリアル。
その後二人は二匹の蛇となって道成寺の住職の夢枕に立ったので、住職が経を読んでようやく成仏できた、という部分は知りませんでした。
最後の展示。この像は横から見たらとても美しく、思わず写真を撮りました。
日本人の顔ですね、やっぱり。
じっくり3時間ほど堪能。「ほー」「はー」「へー」と常に心がざわざわし、楽しい時間でした。
こういうものを好き勝手に解釈して見るのは本当に楽しいです。
8/29(日)までやってるそうなのでら興味が湧いた方は、ぜひ。
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